照明の渡部です。秋研が終わりました。3年がこんなにも早く過ぎてしまったのは、7ヶ月分の作品がお客様に届かなかったから、でしょうか。光栄なことに「照明を任せたい」とオファーをくださった方が何名かいらっしゃって、私もその作品に関われることをすごく楽しみにしていたので、ショックは大きかったです。絶対に素敵な作品になったのに、存在すら知られずに消えてしまうのか、あまりにも悲しすぎるじゃないかって。そんななかで約1年の間話し合いを重ね、幾度も形を変えたのちに完成したのが、今回の秋研でした。
秋研の照明チーフって、私にとって途方もなく遠くて重い肩書きだったんです。これまで務めてきた先輩たちが偉大すぎて、自分には到底追いつけないと思っていましたし。そこに追い討ちをかけるように次々現場が消えていく、秋研自体もいつ消えてしまうかわからない。そんなプレッシャーと不安の中でも、「さすがぶたび」と言って頂けるような空間が作り出せたことに、まずは安堵しています。
照明チーフ陣である牧田と優ちゃんを中心とした同期、そして後輩たちにも、沢山頼りました。映像に耐えうる照明のために、舞台作品の映像を観たり、時にはアー写なんかもあさりました。外を歩いている時には、太陽や街灯の光と影の出方をチェックしていました。美術チーフの垣花とは、川越まで行ってふらふらになりながら棚や建物、ランプの資料を集めたりもしました。そうやってなんとか作り上げたのが今回の照明です。ぶたびの照明陣すごいでしょ?そして秋研座組すごいでしょ?って沢山自慢したいです。ぶたび、そして協力してくださった外部スタッフの方々・役者の方々の想いと技術を結集し、「いま私たちにできる演劇の形」をひとつ成立させるという、非常に「研究会公演」らしい作品になったのではないでしょうか。
ぶたびに入って3年、多くの作品に関わり、多くの方と出会いました。サークルの枠を越えて、お世話になった先輩、共に大変な時を乗り越えた同期、成長を嬉しく感じる後輩が沢山できました。演劇を通じて私と出逢ってくださった全ての方々、出逢えて良かったです。本当にありがとうございます。そして、舞台美術研究会の一員としての活動は終わりますが、できる限り演劇には関わっていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします。
舞台美術研究会、ありがとうございました。
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