top of page
2020bbkautumn

脚本 すどう

こんにちは、舞台美術研究会73期の須藤瑠誠です。さて、当然のように自分が舞台美術研究会のメンバーであるかのように話していますが、正直なところこの秋研が動き始めた2020年の1月2月くらいまで舞台美術研究会での活動をほとんどしていなく、自分は本当に所属しているのだろうかと思っていました。この公演を通して、今までの僕自身の演劇への関わり方みたいなものを改めて感じて、ぶたびの一員として公演に関わるようになりました。

中学時代、演劇コンクールでクラスごとに演劇を創る機会があり、クラスの皆が模造紙いっぱいに家の風景を書いたり、悪役のワニのかぶり物を作ったりしているのを見て、頭の中で想像していたものが創造されていく楽しさをひしひしと感じ、演劇っていいなぁという気持ちを抱きました。高校時代、その勢いのまま入った演劇部では、皆で創る演劇から一転して少人数で箱馬を白く塗っていて、手に着いた塗料が全然落ちないことを発見しました。

そういった良い思い出と、一回しかないコンクールの本番の大事なシーンで噛んだり、高校演劇の大会のリハーサルで進行を失敗したりした良くない思い出とを抱えて、大学で舞台美術研究会に所属しました。美術のワークショップで工具をまともに使えなかったので照明として関わろうと決めたことを覚えています。結局照明チーフをすることは一度もなく、ただただ色が綺麗だなぁ、ビームも綺麗だなぁと思うだけで時間が過ぎていきました。

そういう背景があって舞台美術研究会の人への畏敬の念みたいなものが強くなっていって、気づいたら自分たちの代の秋研になっていました。何か貢献したい、という気持ちがあって脚本をやらせていただくことになりました。映像配信という形式の中でも魅力的な舞台を創り上げていく役者さん・スタッフさんの姿を見て、なんて頼もしい人たちだと思いました。本当にありがとうございました。

見学会が終わった後のバラシまでの1時間ほどの間、スタッフが集まった舞台の上で高ぶった気持ちを押さえずにはいられませんでした。頭の中にあった“街某家”が、この公演に関わったすべての方々の手によってB203という空間に創造されているのです。中学時代の純粋に演劇を創り上げていた楽しさに近いものを感じ、もうすぐ綺麗さっぱりなくなってしまう悲しさがこみ上げて来ました。その思いが物語の登場人物とリンクしたようで、自分もこの公演の、ぶたびの一員なのだと強く感じられました。小屋入りが終わってこの文章を書いている今でも、小屋入り中に撮られた写真の数々を見て楽しんでいます。




これから映像を観て頂く方々には、“街某家”の雰囲気を楽しんでいただきたいです。そして、皆さん自身の思い出を振り返り、存分に懐かしんでいただけたら幸いです。

 最後に、仕込みバラシ人員として小屋にある2 mの綱を結んだり照明機材のつまれたリヤカーを引いたりすることがメインの活動だった僕を、73期の一員として扱ってくれた同期の皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。

本当にありがとうございます、ぶたびに入って良かったです。本当に、本当に幸せでした。

閲覧数:39回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page