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『まちぼうけ』スタッフ

舞台監督 ますだ


 こんにちは。『まちぼうけ』で舞台監督を務めた、増田悠梨と申します。


 うわあ秋研だったんだ、秋研に関わってたんだなあとこの文章を書きながらしみじみと思い返しています。私はぶたびでの活動をほとんどしていないので、まあまあぶたびの外側にいた人間なのですが、それでも秋研には思い入れがありました。


 一昨年の秋研では、とてもお世話になった先輩が作演をしていて、同期が演出補佐とか照明補佐とか美術補佐とかいろいろやっていました。私はイチ客として、そこで行われた演劇を観ました(こっそりネタ大会っていうものに出ました)。劇場に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がっている世界に心惹かれて、こんなことできるんだ、何これ!? と圧倒されたのを覚えています。

 去年は舞台監督補佐としてその場所にいました。ぶたびと他の演劇サークルの関係性を象徴するようなその作品はすごくあたたかかったし、クレバーでした。シロクマのための介錯とかをしていました。なぜか打ち上げ後の朝食まで座組みの方たちとご一緒していたのですが、どこの馬の骨かよくわからないぶかんほを側に居させてくれていたって、寛大ですごすぎじゃない? と思います。


 そしていよいよ今年は舞台監督、ということで。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、舞台監督をやるはずだった公演が4つくらいできなくなってしまい、スキルがないのに大丈夫なのだろうか…と不安を抱えながら参加していました。というのも、秋研って集大成として位置付けられるとても稀有で大切で素敵な公演だと外から見ていて感じていたので、それぞれが敏腕なチーフ陣の中で初心者同然の人がチーフとして参加していいのだろうかと思っていました。みんなとっても優しかったので、感謝が尽きません。

 きっと、舞台監督の仕事ってやらないといけないことは無限にあって、そういういろいろに気がつかずにたくさんのことを取りこぼしてしまっていたのだと思うのですが、それでもできないならできないなりに、最低限のことを丁寧に、そして小屋内の雰囲気が少しでもいいものとなるように、というのだけは意識していました。できたかは今もなお不安です。タイスケの色をその公演のフライヤー合わせであてはめていくのがこだわりです。


 今回、目の前で立ち上がっている演劇に立ち会う、ということを経験できました。普段、ぶかんやらぶかんほやらをしている時は基本ハケ裏ですし、役者の時はそこに出演しているので、ずっと小屋にいてしかも演劇を観るというのは、はじめての経験でした。

 私はたぶん、何に対してもあまり帰属意識を持たない、どこにいてもうっすらアウェー感を抱いてしまうような性格の人間なのですが、一生の中ではすごく短い時期のこの何年間かの、それでもきっと濃厚な時期の一つをこの場所で、それは「早稲田演劇」と括られ得るようなところで、この人たちとゆったり近づいたり離れたりしながら、時間と空間を共にしてきたのだなあと、そういうことをぼんやりと思い起こさせるような演劇でした。また、そこに描かれている関係性がひどく豊かでいいなあと思いました。


 あくまでも私が感じたことなので、これを読んでくださっているあなたはどういうことを感じるのでしょうか。とても興味があります。

  

 この何年かの間、つかず離れずの距離にいた、たくさんの方々、今後会うことがあるのかさえわからないですが、ただこの時期だけのつながりとしてしまうにはあまりにも惜しいくらい魅力に溢れたみなさま、本当にありがとうございました、という些細な私信を締めとして、この長くなりすぎた文章を終わりにします。


 本当に寒い日々が続く今日この頃です。どうかご自愛ください。

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